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くらま辻井の逸品 木の芽煮(きのめだき)のご紹介 ~旬の味覚と四季を通じて満喫できる味わい~

「木の芽煮(きのめだき)」のルーツは古く、牛若丸が活躍した時代、平安末期までさかのぼると言われています。かつて鞍馬寺で修行を積んでいた牛若丸は、あけびの蔓(つる)と山椒を漬けこんだ木の芽漬けを常食にしていたと言われ、これが今の「木の芽煮(きのめだき)」のルーツとされています。

現在では、昆布、山椒の葉・実を炊きこんだものが、鞍馬の銘産「木の芽煮(きのめだき)」となっています。
昆布は、北海道利尻産の天然ものを使用しています。
山椒の葉は土用葉(どようば)といって、真夏の熟成して水分の少ない葉を、一枚葉にして使います。
山椒の実は、5月頃に採れるやわらかく香り豊かなものと、7、8月頃に採れる実の皮を用います。

平成5年頃の作業風景

まず昆布を炊きこむ醤油とくみ上げた地下水で洗い、海の小砂や異物を取り除きます。醤油は濃口、薄口など、三種類をブレンドしたものを使用。味をととのえ、昆布と山椒の実・葉を炊きこみます。
朝早くから昼過ぎまで、釜のそばを離れず、時折り櫂(かい)で中身を混ぜながら、釜の中の煮え具合と火加減をにらみ合わせつつ、じっくりと炊き上げます。
一晩さましたものを仕上げに細かく刻み、山椒の香りと昆布のうま味を引き出します。

素材を丹念に、先人より受け継いだ手法そのままにつくりあげたのが、くらま辻井の「木の芽煮(きのめだき)」です。白いご飯、おにぎり、お茶漬けなどと共にお召し上がり下さい。

 

天然の山椒を鮮度そのままに

山椒は香味(こうみ)が命です。そのすがすがしい刺激は「鮮度」に大きく比例します。
くらま辻井では、その年に摘んだばかりの山椒を、新鮮なうちに加工し、用途に合わせて保存し、つくだ煮に仕上げていきます。
食材としての「山椒(木の芽)」には、実や葉はもちろん、花も含まれます。花が咲く4月下旬を皮切りに、実を取り入れる5月までが、旬の味覚としての山椒の収穫期です。

まず、山で摘み採った山椒の花や新芽が届くと、すぐに袋から取り出します。そのままでは、布袋の中でほめく(熱くなる)ので、空気にさらします。しなびないうちに、山椒に混じった木の枝などを、手と目で確かめつつ取り除きます。そして間をあけず、そのまま炊きます。このときだけは時間との勝負です。

山椒の花

山椒の花山椒の木は実の成る木と、花をつける木と雌雄別々です。中でも、花をつける木は稀少です。1本の木からも、ほんの少ししか採れません。 4月中旬になると、この貴重な山椒の花を摘み採り、上質の利尻昆布をほんのわずか加え、うす味に煮上げます。口に含むと、5分から10分経った辺りから、特有のまろやかな香味と食感が、ふわっと感じられます。

山椒の新芽

山椒の新芽山椒は、杉木立の中の陰にあるものの方が、やわらかく美味しいとされています。5月になると、この山椒の新芽を摘み採り、手作業にて選別、アクを抜き、うす味に煮上げます。

山椒の実

山椒の実5月下旬になると、山椒の実がぐんぐん大きくなります。これを丹念に摘み採り、選別して薄い塩分のお湯にさっとくぐらし、アクを抜きます。山椒の香りそのままに、うす味に炊き上げ、仕上げます。山椒は、収穫されてからすぐ炊きます。みずみずしい緑色の実を摘みたてのまますぐ炊くのは、塩漬けの実を使う場合に比べて手間はかかりますが、旬と鮮度にこだわり、伝統の製法をそのまま守り続けています。

 

野のもの、山のものをつくだ煮にした、旬の逸品。
「ふきのとう」「ふきのとう味噌」をはじめ、「花山椒」「新芽山椒」「土筆(つくし)」「わらびしぐれ」「野ぜり」。秋には「菊花漬」「菊の花」など、季節のものもございます。
当店の品々により、日々の心のいやし、和みになりますれば、この上ない喜びに存じます。

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